”儲ける仕組み”について

2008/3/15

【主題】”儲ける仕組み”について

 サブタイトル:”ビジネスモデルの実例と儲けるための定石”に関する考察

ITC 武島 直行(No.00002711)

はじめに

 以前、「内部統制」に関する考察を進め、その前提に企業が独自の“儲ける仕組み”を運用して収益をあげることが命題であると言及した記憶があります。
 今回は、その”儲ける”あるいは”儲かる”仕組みに関して、少し掘り下げて考察してみたく思います。
 ただし、これは小職の経験則による記述であり、巷のあらゆる資料や書物によるものではありませんので、ご了解の上で読んでいただければ幸いです。

序論

”収益をあげる”ということ

 表面上は“総売上-経費”が少なくとも0以上で経営が維持されていること、要するに赤字経営ではない、ということで表現できます。
 ところが、”黒字経営を維持する”ためには、継続的にあるいは自然体で維持できる収益を生み出す”形”が必要となってきます。
 たとえば、今大相撲が開催されていますが、“強い”力士は個々に取組に勝てる“形”をもっています。この形に如何に容易に持ち込むことができるか、が強さの差になってきているように伺えます。当然、そのための技の種類や体力・気力も勝負の要素になりますが、自分の”形”でとりきってしまうことで九分九厘勝つ手応えを感ずることができるのではないかと推測いたします。
 このことは、企業間の競争にも共通することではないか、と考えます。

本論1

”己を知る”こと

 兵法で言う、”己を知り、敵を…”を実際に行ってみます。
 まずは、自社の位置づけというか、活動するエリア(市場)について考えましょう。
 自社が競争する分野・業界について、その特徴や状態に関して、過去の推移は当然として、常に最新の情報を入手して、これを調査・分析することで、自社のポジションやその業界の状態などを把握することから始まります。
 この結果と、自社の得手不得手との関連を抑えておくこととなります。
 その上で、自社の体力を抑えることとなります。
 ・自由に使えるお金(財務力)
 ・製品・サービスを売り込む力(営業力)
 ・同様な製品・サービスに対するコストパフォーマンス(商品競争力)や生産力
 ・製品・サービスを提供する人材とこれを教育する仕組み
 中国の故事に、“己を知れば百戦戦おうが危ういことはない”とあるが、正にその通りに行うこととなります。
本論2

“戦略”と“戦術”

 この違いって、何なのでしょうか?
 実は小職もある長編小説を読み終えるまで、具体的に思い描くことはできませんでした。
(参考までに、その長編小説とは、田中芳樹作「銀河英雄伝説」です。すっかりファンになってしまいました)
 私は次のように考えます。
“戦略”は方針とか“理念”という分野に属して、実戦を行う前に既に勝敗を予測できる状況にもっていく術で、たとえば、戦場で向き合う際には既に勝敗が決していることも想定できますし、戦わずして勝つことも可能となりましょう。
 一方で、“戦術”は実戦における、その都度の作戦や計画のことを指して、個々の力量と技を駆使した戦い方、と考えています。当然、局面ごとに刻々と変わってきます。

 ではビジネスではどのように考えましょうか?
 “戦略”に該当する部分を、経営方針や経営理念、中長期計画や短期計画といったビジネスプランに関する部分、 “戦術”に該当する部分を、強み/弱み(得手・不得手)や商品力、人材や資産とか行動規範といった部分と仮定しましょう。
 ビジネスモデルとは、その企業が実現可能なビジネスプランに従って、ある決まった形・行動規範による資産投入を行うことで収益を得ることができるパターン、と考えることができるように思います。
本論3

”はまった!ビジネスモデル”

私が「なあるほど!」と、感心したビジネスモデルに次の2例があります。

1.コミュニケーションビジネス
 世に言う、“出会い系”です。とかく悪評や悪用が広まっていますから、この場に例示するのも如何かとは思いましたが、判り易い仕組みですから、敢えて例示いたします。
 このシステムを使う契機は、種々有りましょうが、どれも良く似通っているのでは無いでしょうか?
 基本的には、純粋な異性との交友を求めている場合か否かとに大別できましょう。
 ただし、このシステムを提供する側は一概では語れないように考えます。
 まず、利用者の個人情報のみが欲しい場合には、とかく”無料”というキーワードを餌にして、利用者が主体的に個人情報を記入するような仕組みを持ったサイトへ導入するでしょう。
一旦入手した情報を元に、大抵は悪用されるパターンが主流かと思います。
 とは言っても有料であれば悪用は無いか?と問われれば、これも「ノー」と言わざるを得ません。俗に言うポイント制の場合には、如何にしてポイントを多く買わせるか(使わせるか)に注力されており、利用者の足元を見透かしたような情報の授受が延々と続く形態をとります。
(非常にわずかな一部のサイトは”純粋な出会い”を目的として運営されておりますが、ここではこのパターンは除いて語りますので、悪しからず誤解の無いようにお願いいたします。)
 初めから利用者から搾取することを狙っているサイトでは、俗に言う”サクラ”による信憑性のない多くの情報提供に利用者が取り込まれ、目的を達成することなく、利用料金を了解の上、支払っていくという、一見詐欺まがいのモデルに誘引されていきます。
 これは、振込詐欺あるいは偽造請求とか、不同意によるサイトへの登録といった、明らかに違法な運用とは異なって、利用者が主体的に利用した結果のポイント代金と認定できますから、ある意味ではビジネスモデルともいえる代物です。
(会える目的は達成したが、相手が未成年だとか、暴力沙汰に巻き込まれた、といった場合は、明らかに違法性があるものですから、ここで言うビジネスモデルにはあたりません。)
 それから、如何にしてサイト利用者を増やすか、が儲かるポイントとなります。 
 従業員?サクラの場合には、実際に会う危険性はありませんから、性別も年齢も不問ではないでしょうか?情報の伝達手段は最低限メールが使えればよいということですから、運営する側は、如何にして悪評が立たないようにして多くの利用者を長期にわたって維持できるか、ということに注力すればいい、ということになります。
 ただし、サイトの中には短期間で利用休止して、新たに別のサイトとして運営している場合も多く見受けます。この場合は、純粋に効果的なビジネスモデルであるとは言えない様に思います。
 結果的には、利用者が目的を達することができるなど、納得できる形態をとらないとサイトの継続は困難であり、また、広告主も現れない訳ですから、悪徳に終始したサイトは遠からず淘汰させることと思います。
2.リサイクルビジネス

 この場合の収益構造は簡単です。一言で言うと、無償で仕入れて有償で提供することが可能なシステムになっていることです。
 ただし、事業の実現と維持には相当の実行力・交渉力と覚悟が必要であるように思います。
 
 産業廃棄物の場合の一例を下記します。
 まず、タイヤのような2次加工が可能な産業廃棄物を無償(あるいは、回収費用をいただいて)で回収してくる。
当然、これを保管する場所の確保が必要ですが、回収、即、加工が可能であれば大規模な保管場所は不要になります。
 次いで、2次加工したものを、例えば建築・建設等の材料として売ることが可能であれば、これも売買ルートを確立しておくことで、特別な保管場所を有することなく発送が可能となります。
 このモデルの素晴らしいところは、材料に原材料費がかからず、むしろ回収することで収益があがります。ここで何もしなければ、その処分を行うことで費用がかかる、といった構造になりますが、ここで回収物を加工して二次製品にすることで商品価値を付加してしまうことにあります。
また、通常タイヤ当の処分は環境破壊を伴うことを考慮すれば、環境にも多少は優しい事業になります。
 唯一懸念されるのは、使用材料や加工品を保管する場所に関しては、その場所及び運送段階での環境面への悪影響を明確に把握した上での起業を考慮しなければ、公害排出企業のレッテルをいただくことに成りかねないことです。
折角、現代の風潮にマッチしつつある事業ですから、これをクリアして収益性の高いビジネスとして欲しいと思います。
まとめ

 企業が”儲ける”あるいは”儲かる”仕組み作りを行うには次の条件が満たされる必要があるように思います。

 ・ 活動(競争)する事業分野・市場の分析と自己の戦力分析ができていること
 ・ 違法性の無い、再現・継続可能な事業プランを持ち、これを実現する手段・体力を有していること
 ・ 商品・サービスを提供する際に自社固有の”形”(得意技)を持っていること
 ・ 事業の内容が広く社会に受け入れられること(社会貢献度)
 ・ 提供する商品やサービスを利用者が使い続ける理由・価値があること、自動的にリピートオーダーとなってかえってくること

 それぞれの企業は固有の商品(サービス)提供手段を有し、これを継続的・計画的に繰り返し運用できる仕組みを構築していくことで、“自社ビジネスモデル”を確固のものとして、より強固な収益モデルを構築しております。
 規模の大小や事業分野の如何を問わず、収益の確保できる条件には共通した要件があるように思います.
 上述は、その一つの考察として提示いたしました。
 今後もアンテナを縦横無尽に広げて、気のついたことをご提供いたしたく思います。

 written by IT狸 2008/03/15 

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