後継者問題とネットショップ

2006/05/30

 
後継者問題に関しても、ネットショップというのは追い風である。

地方都市の小さな商店の跡継ぎになりたくないという人は少なくない。シャッター通りとなりかけている商店街の店主になってもあまり夢が持てないのだろう。地元に残ってくれるだけいいじゃないかという人も居る。東京に出て行ったまま、そこで就職し、結婚して戻ってくれる気配さえない。

東京のど真ん中の商店街で小さな洋服店(個人商店)を営む親の家業をダイレクトに継がず、その人脈や商流を活かして通販オンリーの鞄のネットショップを立ち上げ、成功している方が居られる。当初は親のお店にパソコンを置き、そこで仕事をしていたようだが、仕事が軌道に乗ると、すべてを千葉の自宅でやるようになった。

完全に世代替わりしてしまえば、いずれ父親の店舗はなくなるだろうが、商売は形を変えて続いている。従業員を持っていない場合は、このようなスタイルも考えられる。

ITコーディネータ/太田垣博嗣

ネットショップの経営感覚

2006/05/24

 
楽天市場にトライした店主の話の続き。

私が「楽天市場への出店は勉強代として考えてくださいよ」と言ったのには理由がある。ネットの世界には地方も都会もないかわりに、過酷な競争もあるということを理解してもらわなければならない。銀座やニューヨークの一等地で他店との競争に晒されながら商売を続けてゆけるだけのセンスや商魂が無ければ、ネットショップは成功しない。

「『ネットで儲ける』という本がお店にたくさん並んでいるでしょう?つまり、あの本が売れている数だけ、ネットで儲けることが出来ない人がいるということですよ。ほら誰でも英会話がペラペラできるなら、英会話の本は売れないでしょ?あんな感じですよ。」

もうひとつ。ネットショップをオープンしてうまくいかなかったときに、「アクセスが少ないから」「パソコンは操作が難しい」「忙しいから」といった理由をつけて、ネット販売から背を向けてしまうケースが多い。楽天市場であれば、そういった言い訳は利かない。初心者店長が受講する楽天大学ではきちんと専任の店長を立てて、運営するようにアドバイスしている。メルマガやプロモーションの方法についてもきちんと教えてくれる。同窓のつながりも出来、下手なコンサルよりも余程効果がある。

とにかく、楽天市場である程度ネットショップの経営感覚を掴み、自分の強み弱みを把握してから、次の戦略を考えてみればいい。ご近所づきあいも不動産も何も無いのだから、閉店も気軽である。ネットショップをたたむ事に、必要以上に恥ずかしさや情けなさを感じる必要は無い。

リピート率が高いショップで損得トントンならば、自前サイトに移行してゆけば黒字になるだろうし、楽天の集客力に強い魅力があるなら、楽天の商売を更に積極的にやるもよし、Yahoo!ショップを開業するのもよいだろう。商品が不定期に入荷するような業態であれば、楽天市場は閉鎖し、Yahoo!オークション等を中心に販売してゆく方法もある。メールマガジンが得意な店主も居れば、実店舗に来てもらうのが一番だと考える人も出てくる。

ネットショップを始めて、地元が持つ魅力を再認識する人も居る。最初は洋服を販売していたのに、半年後には地場の生鮮食料品や海産物を販売していたというサイトも少なくない。同じ商店街の魚屋さんや農協と協力して商売をするから、地元の人たちからも一目置かれる。

こういったアドバイスは、リサーチすれば、ある程度はショップを始める前にできる。しかし、熱に浮かされた状態ではなかなか聞いてくれないものであるし、いつのまにか視野が狭くなってしまっていろんな手法があることに気付かないものである。

「勉強代」だというのはそういうことである。

そして後継者問題に関しても、ネットショップというのは追い風である。(その話はまた次回にでも)

楽天市場で腕試し

2006/05/19

 
熱に浮かされたようにネットショップ開業を熱く語る商店主さんが、私のところに来られた。

まるで新大陸を発見したような感じだった。人口数十万人の商圏が、日本全国1億人の商圏に広がったように見えたのだろう。私はこれを見て、正直なところこのままではちょっと危ないなと感じた。後先考えずに高価なネット販売サイトを構築し、そのうちメンテナンスコストに根を上げてしまうからである。(それだけならいいが、それが元でネット反対派になってもらってはもっと危険である)

とはいえ、1日も早いオープンを望む店主に、何を言ってもムダであった。そこで私は「まずは楽天市場で腕試しをしてはいかがでしょう?」とアドバイスした。

インターネットショップに詳しくない人がインターネット販売を始めるときに一番問題になるのは、その労力の掛け方である。特に慣れないネットの世界で開業するまでの手間で疲れ果ててしまう事と、開業後の閑古鳥で飽きてしまう事で、拒否反応を起こしてしまう事である。

今の「楽天市場」は、開業する側からすれば決して安いショッピングモールでは無い。

悪天市場と揶揄されることも有る。さまざまな理由で楽天に経費を支払う必要があるし、その割りに顧客情報は溜まらないし、持ち出せない。ホームページ制作も、簡単といえば簡単だが、安いランクの契約ではデザインに制約が多いので、思い通りの魅力的なページ作りができない。

それでも、「楽天大学」なる学習制度が存在するし、ITに詳しくなくてもお店を開くことはできる高度で一貫したシステムがある。安売りやプレゼントを企画すればあっというまに数千という応募者がやってくる。軍資金さえあれば、初心者ネットショップのオーナーが思いつく企画はいくらでも打てる。(しかしネットの顧客はなかなか定着しないのだが、それに気がつくまでにはしばらくかかる)

アイデアをすぐに形に出来る場として、楽天市場やYahoo!Shoppingのような総合モールは、店主の腕試しができてとても良い場なのである。そして私はこう、言い添えた。

「これは勉強ですからね。失敗して撤退したとしても、勉強代として取り組んでくださいよ。」

新しくお店を出すと考えれば、1000万円単位の借り入れが発生する。それから考えれば半年で100万円程度の出費は、出店代金ではなく、勉強代と考えて欲しいのだ。

(続く)

ITコーディネータ/太田垣博嗣

ネットショップに目覚めるとき

2006/05/09

 
ある地方都市の商店を営む商店主のお話。

あるとき地元の商工会の会合で、ご近所の地味な商店が実はインターネットの世界ではとても有名で、繁盛していることを知った。たしかにそのお店が年に1、2度バーゲンをやると大混雑するのは知っていたが、どうしてそんなに集客があるのか、そのときまで知らなかった。実はネット経由の購買者にバーゲン情報のメールを送ると、近隣県からもお客さんが駆けつけてくれるのである。切手も案内状印刷代も要らないので、ダイレクトメール代はほぼ無料と聞いて、更に愕然とする。

さて、これを知った商店主は、その日からネット販売の魅力に取り付かれる。その気になって情報を集めてゆくと、いろいろ成功事例が耳に入ってくる。こうなると1日でも早くネット販売で稼ぎたいと、熱くなってしまうのは商売人の性なのでしょう。

(続く)

ITコーディネータ/太田垣博嗣

This page is powered by Blogger. Isn't yours?