楽天市場で腕試し

2006/05/19

 
熱に浮かされたようにネットショップ開業を熱く語る商店主さんが、私のところに来られた。

まるで新大陸を発見したような感じだった。人口数十万人の商圏が、日本全国1億人の商圏に広がったように見えたのだろう。私はこれを見て、正直なところこのままではちょっと危ないなと感じた。後先考えずに高価なネット販売サイトを構築し、そのうちメンテナンスコストに根を上げてしまうからである。(それだけならいいが、それが元でネット反対派になってもらってはもっと危険である)

とはいえ、1日も早いオープンを望む店主に、何を言ってもムダであった。そこで私は「まずは楽天市場で腕試しをしてはいかがでしょう?」とアドバイスした。

インターネットショップに詳しくない人がインターネット販売を始めるときに一番問題になるのは、その労力の掛け方である。特に慣れないネットの世界で開業するまでの手間で疲れ果ててしまう事と、開業後の閑古鳥で飽きてしまう事で、拒否反応を起こしてしまう事である。

今の「楽天市場」は、開業する側からすれば決して安いショッピングモールでは無い。

悪天市場と揶揄されることも有る。さまざまな理由で楽天に経費を支払う必要があるし、その割りに顧客情報は溜まらないし、持ち出せない。ホームページ制作も、簡単といえば簡単だが、安いランクの契約ではデザインに制約が多いので、思い通りの魅力的なページ作りができない。

それでも、「楽天大学」なる学習制度が存在するし、ITに詳しくなくてもお店を開くことはできる高度で一貫したシステムがある。安売りやプレゼントを企画すればあっというまに数千という応募者がやってくる。軍資金さえあれば、初心者ネットショップのオーナーが思いつく企画はいくらでも打てる。(しかしネットの顧客はなかなか定着しないのだが、それに気がつくまでにはしばらくかかる)

アイデアをすぐに形に出来る場として、楽天市場やYahoo!Shoppingのような総合モールは、店主の腕試しができてとても良い場なのである。そして私はこう、言い添えた。

「これは勉強ですからね。失敗して撤退したとしても、勉強代として取り組んでくださいよ。」

新しくお店を出すと考えれば、1000万円単位の借り入れが発生する。それから考えれば半年で100万円程度の出費は、出店代金ではなく、勉強代と考えて欲しいのだ。

(続く)

ITコーディネータ/太田垣博嗣

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