地理情報システム

2005/06/13

 
エリアマーケティングを必要としている業種は結構多い。
先に書いたコンビニエンスストアの出店計画などは、その最たるもので、フランチャイザーが綿密なエリアマーケティングを実施し、加盟オーナーに数字を提示して成り立っている。

もっとも、最近では説明や前提条件の曖昧さが問題視されたり、出店して間もないのに直ぐ近所に同系列のコンビニがオープンしたりと、虎の子の財産をはたいてオープンした加盟オーナーからすれば捨て駒のように扱われているケースもあり、裁判に至っているケースもひとつやふたつでは無い。

では、エリアマーケティングがまったく役に立たないのかというとそうではない。本当にエリアマーケティングができるのは、都心の高層ビルの中のフランチャイズ本部で日々分析を行っている人ではなく、その商圏に長年住んでいる人々の方である。

小学校1年生のクラスの数が増えたとか減ったとか、近隣のマンションができて若い世帯が少し増えたとか、肌で感じているのは地元の人たちである。

その「感覚」を形にして実感・実証することが大切である。これから梅雨の季節である。商店ならば、お客様の少ない日等に、地図を広げて顧客名簿をマッピングしてみるのもいいだろう。

さて、エリアマーケティングは、ITの観点からいくと、地理情報システムということになる。
この手のソフトは多くが数百万円のオーダーであった。

最近はフリーのソフトでよいものがある。MapServerというJAVAで動くオープンソースのソフトウェアがそれである。残念ながら、JAVAやLinuxの知識が必要なので事業者が自分で、というには少しハードルが高い。しかし、市販のソフトを買うお金で、自分のニーズに合ったシステムを構築できることを考えると非常に安い。特に、営業所や支店が多い業態であれば、1本ごとに数百万するシステムを拠点ごとに導入するわけには行かない。

その点、オープンソースの製品は、地域展開が非常に簡単である。社員全員が使っても、値段は1本分だけで済む。(安く済ませようと思えば無料ダウンロードも可能である)

現在、あるお客様でこのソフトを使ったエリアマーケティングシステムを検討中である。お客様(年齢層や性別、住所、年間売上高等)や販売商品カテゴリー等で層別化し、ロイヤルカスタマーを抽出したり、プロモーションの効果をグラフィカルに見たりする。

地理情報システムの難点は、緯度経度の設定である。ある設定業者では、住所データを渡すと2?3週間で緯度経度情報を付与して返送してくれるのだが、基本料金20万円+データ1件当たり10円?50円という見積もりであった。1万件の住所データであれば30万円?70万円かかってしまう。
また、年間24万円でデータ変換(ジオコード)が使えるというASPもある。

20万円前後の料金にどの程度の価値を見出すのかが、地理情報システム構築のポイントといえる。

ちなみに、緯度経度のデータは、Yahoo!Maps等の地図サービスのURLをよく見るとその中に含まれている。たとえば、Yahoo!Maps↓のようなURLを使っている。
http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=34.41.57.409&el=135.30.5.925

nlが北緯(the north latitude)、elが東経(the east longitude)を指していることがわかる。
手間が掛かっても良いのであれば、この数字部分を拾い出してゆけば緯度経度は算出できる。

地理情報システムは、ITの世界で価格破壊が起こっている分野といえる。
既に米国のGoogleは、地図の検索オプションとして全米の航空写真での表示を始めた。もちろん無料である。
いずれ日本のポータルでも同様のサービスがはじまるかもしれない。

ITコーディネータ/太田垣博嗣

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