料理屋さんからの手紙

2005/01/21

 
先日、とある豆腐料理を出すお店に行ってきた。チェーン展開をしている店なのだが、従業員は和服を着て接客している、少々お上品な雰囲気の(コース料理で4000円から6000円くらい)ところである。

テーブルには竹筒に丸めて立てた「ご意見をどうぞ」というメモ用紙が備え付けてあった。引き上げ湯葉やら豆乳鍋などを準備したり片付けたりするために、給仕をする方(おばさんというには少し若い位の方)がきびきびと働いていた。

良く観察すると、基本的に同じ方が私たちのテーブルを続けてフォローされていた。パートやアルバイトではなく、正規従業員なのだろうか、名札には名前と共に「主任」の文字があった。声をかけて、他愛の無い会話をすこししてみたところ、受け答えも卒が無く、良い印象を持った。

そこで食事中に、先の「ご意見メモ」に住所、氏名と主に「○○主任さんのサービスは良かった」と書き、帰り際にレジの横の投函箱にいれて帰ってきた。

それから3日後、私宛てに葉書が届いた。なんとその主任さんからの「楽しんでいただけましたか?またお越しください」といった意味のおたよりだった。本文は印刷ではなく、本人の手書きである。

ご意見メモには、ご連絡しますともなんとも書いていなかっただけに、これはちょっとした驚きであった。このお店、最初に書いたように全国にチェーン店展開をしているお店である。働いている人も沢山いる。

一番の驚きはその速さである。私がメモを投函して葉書が届くまでの日数を考えると、おそらく投函したその日の営業終了後に店長もしくは本部の人が中身をチェックし、遅くとも翌日には主任さんにその事が伝えられ、そこですぐにお礼の葉書を書き、その翌日私のところに葉書が届いた、という流れになる。

クレームや顧客の声が従業員にすぐに周知され、従業員はお礼の葉書を直ぐに書くという社風。料理の味もさることながら、行き届いた会社だと感じた。

さて、私たちである。やはり、こうしたちょっとした気遣いができる会社であったりプロジェクトであったりしたいものだ。お客様になにか気遣いをしていただいたらすぐにメールを打つ、礼状や賀状を送る、電話をかけて御礼を言うなど、難しいことはあまり無い。簡単なことからでも始めてみようと思う。

サービス業の基本を感じた体験であった。

ITコーディネータ 太田垣博嗣


エスカレータの乗り方

2005/01/07

 
文化の違いは、地球的な規模では勿論、ドメスティックなレベルでも、はたまた、会社の中の組織単位でもことさらにクローズアップされることもある。

エスカレータの乗り方の違いが果たして文化の違いと言うほど大仰なものとは思えないが、確かに東京と大阪では乗り方が違う。東京では左側に立ち右側を急ぐ人のために空けているが、大阪では逆である。

識者によると、これは東京が特殊で、右側に立ち左側を空ける大阪方式が全国的、また国際的であるらしい。そもそも大阪は万博開催時(1970年)に、端を発している。開催に合わせて、国際標準を徹底すべく、啓蒙したようだ。東京はこれに関する特段のオリエンテーションもなく、自然発生的なものだとのこと。この識者は、この一事をもっても、大阪の合理的かつ進歩的な考え方、インターナショナル感覚の一端がうかがえると結論づけているがそれはいかがなものだろうか。

世の中には、奇特なひとがいるもので、ネット上に『エスカレータ東京と大阪の違い』というそのものずばりの論評がある。
http://www.umasugi.com/~h070017/docs/escalator/

この「論文」は、愚直なまでの現地調査と検証がなされており、頭が下がる思いであるが、結論として、やはり大阪文化圏のみが右立ちの国際ルールに則っているとしている。東西の「文化」が交流する新大阪、関空においては混乱しているさまが日常的に確認される。安全性の確保の面からいえば、どっちでもいいから個々のエスカレータに限っては統一してもらった方がいい。

ということで、安全面だけにこだわれば、名古屋の地下鉄は独自のプロモーションを始めている。中日新聞によると、名古屋を走る地下鉄(名古屋市交通局が運営)の駅では、2004年の夏からエスカレータの乗り方について、注意喚起を促すチラシの掲示を開始した。地下鉄全駅のエスカレータ乗り口付近に、
  「歩いたり、走ったりしないでください」
  「二列で立ち止まってご利用ください」
などと書いた6項目の注意書きを掲示しているらしい。
http://www.narinari.com/Nd/2004123738.html

名古屋における主要な交通機関である名鉄(名古屋鉄道)やJR東海では特別な規定も推奨もしていないようなので地域としての統一性も保たれていないのであろうか。実は、所用があって昨年末に名古屋に行くことがあったが、実感として市民が混乱を来たしているなんてことはない。要するに、市民にとって「どうでもいい」ことなんじゃないか。「エスカレータの乗り方なんてどうでもいい」ってのが名古屋の文化なのかもしれない。


ITコーディネータ/M.I.


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