ITIL - Business Perspective

2004/12/18

 
ITILの最新刊、「Best Practice For Business Perspective」を入手しました。今度は紫色の表紙で、Amazon.co.jp経由で約15000円でした。今なら為替レートの関係で、14000円ぐらいで買えるようです。

副題は「The IS View on Delivering Services to the Business」。この本では、今までに刊行されたITIL関連書籍の中で最もビジネス寄りの部分を扱っています。経営者が考えているIT的ではない世界を、どうやってITサービスの世界に反映させてゆくのか、またはITサービスの経営への貢献度(および困難度)を如何にきちんと経営陣に理解してもらえるように説明してゆくか、ということに関するベストプラクティス集です。

これでITILのフレームワークを構成する
 The Business Perspective
 Service Support
 Service Delivery
 ICT Infrastructure Management
 Security Management
 Application Management
 Planning to Implement Service Management
の7つの書籍がそろいました。

ビジネスのITとの架け橋を考えてゆく場合、The Business Perspectiveに書かれている内容を把握しておくことは大変有意義です。ITコーディネータが、コーディネートする相手組織の状況を把握するためにも、ひとつの標準形として把握しておくと良いと思います。

余談ですが、2005年中に、ITコーディネータのプロセスガイドラインがようやくベータ版から正式版になるようですが、ITILの様々な知恵が入っていることを切に望みます。

さて、この本の目的が書籍の最初のほうに書いてあるので(怪しい直訳ですが)すこし書き出してみます。

1 戦略レベル、戦術レベル、作業レベルにおける、ビジネス?IS部門?IS提供者(SIer等)の間の、効果的なリレーションシップを確立する
2 ビジネス上のニーズにISサービスを合わせてゆく、その合わせ方や継続方法
3 ビジネス上の予測にあわせたサービス品質にマッチさせてゆくことを確実にする
4 ビジネス・バリュー・チェーンの中のISの役割を理解する
5 どのようにしてISがビジネスバリューを提供するのかを認識する
6 ビジネス的なものの見方を理解する
7 ITILのモデルを使ってビジネスとISにまたがったプロセスをはじめから終わりまで統合して開発する
8 BRM(Business Relationship Management)の役割とサービスマネージメントの間の差異
9 サプライヤー(SIer)との色々な協業方法と契約のレベル
10 ビジネスの中のビジネス(社内の独立企業体の意)としてのISの確立と業務運営

というふうなテーマです。

結局、ビジネスにおけるIT推進は、IS部門だけでは進みません。経営陣がどのようなスタンスでITを考えているかが重要です。とはいえ、システム的な要素は少なく、社内調整やIS部門と経営層との関係性、外部ベンダーとのコミュニケーションやアライアンスにかかわる諸問題を扱っています。

ちょっと目を惹いたのは、IS部門を社内の独立したサービス別会社のように扱って見るべきだというスタンスです。契約社会の発現とも取れるし、昨今普及しつつあるITアウトソーシングサービスを利用する際に違和感が無い様にするための秘訣とも思えます。

日本においてITIL関連の話題で語られる中心的なテーマは相変わらずService DeliveryとService
Supportの2本柱であることには変わりませんが、この2本柱だけでITILの全てであるかのように吹聴するITコンサルタントも出てきているようですので、コンサルティングサービスを利用する側は気をつけておいたほうが良いと思います。

ITコーディネータ/太田垣博嗣

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