コンサルの視点  【身近な商品から学べること】

2004/08/27

 
スーパーのお菓子売り場を何気なく見ていたとき、ガムの効能やパッケージが、昔に比べて変わったなあ・・・ふとそんな考えが浮かび、いろいろなガムを手にとってみました。

以前は、ミント、コーヒー、フルーツ、梅など、嗜好品としてフレーバーを楽しむことがガムの効能でした。ところが最近では、「眠気覚まし」「歯を丈夫にする」「気分をリフレッシュ」といった、機能性を訴求したガムがヒットしています。

新効能ガムの先駆けは、おそらく、昭和57年にロッテから発売された「ブラックブラック」というカフェイン配合の眠気覚ましガムではないでしょうか。フレーバーから機能性へとガムの効能が進化した背景には、顧客の使用シーンを想定した開発があると考えられます。

「ブラックブラック」の場合、「眠くなったときにガムを噛む」という使用シーンから生まれた商品であると言えます。さらにガムの凄いところは、顧客の使用シーンに合わせて、パッケージまで進化させたことです。

今、ガムのパッケージに様々な形があることをご存知ですか?(カッコ内は各パッケージの代表的な商品)

■従来型の板ガム(ロッテ「クールミント」30年前の復刻版)
枚数が多いお徳用パッケージやまとめ買い用の5つパックもある。

■箱入りの板ガム(ロッテ「キシリトール」/グリコ「キスミント」)
ガムがつぶれない、取り出しやすいといった携帯性を考慮。タバコのボックスタイプのようなパッケージ。薄い名刺サイズで、パッケージデザインがおしゃれなものもある。

■箱入りの粒ガム(明治「キシリッシュ」)
粒ガムが引出し型の箱に入っている形。残量が5個以下になったら半分に折りたためるタイプもある。噛んだ後のガムの大きさに合う包み紙を折りたたんで包装している。

■ボトル入り粒ガム(ロッテ「ブラックブラック」)
ガムが「常用するもの」に変わり、大量に必要とされることから、車の中やオフィスのデスク上に常備できるボトル型が生まれた。ポストイットのような包み紙が中に入っている。

■ワンプッシュボトル入り粒ガム(「ブラックブラック」の新ボトル)
ボタンを押すだけで蓋が開き、車の運転をしながらでも片手で簡単に取り出せる。しかも、ボトルサイズは車のドリンクホルダーの規格に合わせてある。

このように、ガムは、顧客を徹底的に分析し、商品そのものであるガムの味・効用といった核となる品質を進化させるだけでなく、パッケージという付随する品質に新たな価値をつくることで、生活提案型の商品になっています。

身近な商品でも、ただ漠然と使うのではなく、「なぜその商品が生まれたのか?」という開発の仮説まで考えることで、新規事業開発や商品開発に活かせる「ロジック」や「発想」を身に付ける訓練ができるのです。

皆さんも、身近にある商品をよく観察し、その裏に潜んだ開発ストーリーを探ってみてはいかがでしょうか?

中川 普巳重(なかがわ ふみえ)
京都リサーチパーク株式会社 EBSセンター 副所長 
中小企業診断士、ITコーディネータ、日本経営品質賞セルフアセッサー、
キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Eメール  n-fumie@krp.co.jp


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