ITCカンファレンス2005
今年もITCConferenceで発表しました!

2005年10月21日(金)〜22日(土)に大田区産業プラザ(東京都大田区)で企業経営者を招待し、ITCの全国大会「ITC Conference 2005」が開催されました。
「経営とITの融合による経営革新」−モノづくりのIT経営in大田区−を、テーマ にしたことで、参加者がIT経営の原点に戻って中小企業のモノづくり経営のあり方を、より深く理解する大会です。1500名以上の方々が来場し、大盛況でした。

昨年の太田垣氏の発表に続き、MAIDOのワークグループで研究している「検証ユニット」メソッドの2度目のお披露目となりました。今年の発表はMAIDOのマドンナ議員もとい会員の中川氏。2日間すべての発表者が男ばかりだったので、まさに紅一点でした(別の講演トラックには、大田区のオオタコレクションネットワークという異業種受注ネットワークを構築した女性はいましたが) 。 会場は普段展示場として使っているところで、ホールの反響がひどく、男性の低い声では後ろのほうでは聞き取りにくい状況。そういった意味でもプレゼンは、女性のよく通る声ということもあり、よく聞こえ、わかりやすいものでした。事例の導入先担当者の安木氏は、やや緊張気味でしたが、昨年と同じでリアルな感じがして良かったです。
多少身びいきもあると思いますが、3つの事例発表の中では一番良い発表だったと思います(あとはITコストが半分になったとか、衝撃的な経営革新、コスト削減が語れれば教科書モノだと思います)。
「レストランチェーンのPOSレジが変わる!受注時点管理システムがもたらす経営革新事例」
(株)入船 レストラン事業部 安木一正氏/ITコーディネータ 中川文恵氏

これが、わがMAIDO−Forum輩出の事例です。今回、ITCの活動報告は3つだけでしたがその中でも良かったと思います。たとえ自画自賛、我田引水と言われようと、ユニット検証スパイラル方式は使いやすく強力なメソッドだと思います。
この事例が教訓としている3人のITCの話は、やはりおもしろいと思います。
  • 経営相談で対応し、ネットPOSの可能性を示したITC

  • どうせやるなら補助金にチャレンジしたら、と提案したITC

  • 開発を見守るITC
こういうやりかたでちょっとずつ分業を行い、少しずつ報酬を貰えるようになれば中小企業も相談しやすいのではないかと思います。プロセスガイドラインがフレンチのフルコース・ディナーだとすれば、こちらは飲茶のようなアプローチではないでしょうか。
そういえば、9月30日のITCコミュニティ組織のミーティングの際に、ある参加者が、「決算書も読めないITCに、経営方針の指導なんかできないのじゃないか」という質問をしていました。それに対し、パネラーは「それぞれの得意分野で能力を活かして‥‥」という答えをしていました。そして、その答えはこの事例の中にあったのです。
ITCという共通の言語、フレームワーク、プロトコルで経営を支援することが重要なのだと思います。

■「住宅の適正価格を目指したIT活用」(IT経営百選最優秀賞)/(株)アキュラホーム 取締役社長 宮沢俊哉氏

ここは、提案ツールを自前で開発し、効果を挙げているということでIT経営百選に選ばれた会社です。「システムは繋げちゃダメ」というのが名言かと。 つまり、家を建てる引合がきたときに、提案図面を描きます。受注が取れたら部材を確定し、その仕入原価をマスターから引き出し、一方で建築図面を作成し、建築申請図書を出力する‥‥。
下手なシステムベンダーが住宅建築会社のIT化を提案すると、データをなんでもかんでも繋げてしまいがちです。 でも実際には、こういうシステムは、マスターやら原価やらを常日頃メンテしておかなければダメなので、引合が来たらすぐに提案できないという問題があります。そしてそんなシステムは実は誰も必要としていないわけです。 すぐに提案できる、すぐにラフに見積もれることが重要になります。
また、お金をかけて3Dの住宅シミュレーション映像が作れるソフトも作ってみたが、TVマスコミにはウケるが、実際の営業の現場ではほとんど使われないことなども話されていました。 ↓このプレゼンを読むと大体把握できます。
http://www.itouentai.jp/news/gekkan2005/pdf/seizo01aqura.pdf



■「人を育て、IT活用を促進して経営改革」
高橋物商(株):常務取締役水口正隆氏/ITコーディネータ:畠山忠彦氏

経営幹部に1週間の合宿研修を実施し、経営目標をブレ無くひとつにし、ERPを導入した事例でした。ITCのお手本のような活動で頭が下がります。
人材教育やコンサル系のITCであれば、まず経営者の意識改革を行い、こういう経営者・経営幹部講習を通じたITC活動が可能であるという好例かと思います。 講演も、この合宿に至るまでの苦労と、合宿での経営幹部の変化に時間が割かれていました。最初の2日くらいは中々議論が進まなかったが、やがて話が白熱し、最後には非常に良い結果になったということでした。
ユニット検証型が実証を経てトップの意識改革を迫るのに対し、こちらは教育研修でみっちりと意識改革をした後、ERP導入に入ります。開発範囲が明確になり、「あれもこれも」という欲張り自滅型の開発を防止する意味ではやはり強力なメソッドだと思います。 MAIDOでもスタッフさえそろえば、こういうアプローチの実例を持ってみたいなぁと思う事例でした。



■ 「スキルマップを用いたスポット物流の利益体質改革」
(有)中田商事:代表取締役社長 中田純一氏/ITコーディネータ:若森康彦氏

スポットのトラック便を仕立てて、ユーザーの物流ニーズに応えるビジネスをしている会社です。この業界では普通は、大口顧客から定期便を受注し、安定経営を目指すものなのですが、こういう顧客は受注競争も激しい上、値下げ要求が厳しくドライバーをスポイルしてしまう危険性がつきまとう。まさに「低賃金で死ぬほど働け」という悪循環に陥っていた会社だった。一方で、就職難で高学歴の大学生がドライバーとして就職してくる。なんとかしなきゃ、ということで勉強をはじめるわけです。 そして、まず経費節減を目指します。トラックドライバーが事故を起こすと、保険料が上がり、それが経営を圧迫する(そして普通はここで低賃金労働に拍車をかける)。ここで安全運転重視に切替え、事故要素を徹底的に排除し、保険料の抑制を図ります。
さらにデジタコ(運転記録装置)をトラックに装備し、無駄な燃料や高速料金を使っていないかを分析し、運送原価を半分ぐらいに減らしました。ドライバーはデジタコに音声入力をするだけ。キーボード操作は無い。デジタコに「運行終了」としゃべれば、運行データが基幹システムに自動伝送されます。 さらにこのデジタコに危険運転に対するアラームが付いており、速度オーバーなどを警告し、同時にそれがドライバーの評点としてシステムに送られます。高得点を取ると手当てがもらえるという仕組み。
こうして運転に対する社長のポリシー(死ぬほど働け→安全運転)をITで徹底させ、運行管理を高度化させた上で、あえて他人が嫌うスポット便を中心に受注し、高収益体質を作り上げていったというわけです。 もっとも↓を見ればわかりますが社長が相当な勉強家で、あらゆる中小企業支援策を活用しています。その過程で知り合ったITC以外の強力な経営アドバイザーがいるようで、この仕事を請け負ったITCは、きっと仕事が楽だったろうなぁと思いました。
http://j-net21.smrj.go.jp/info/shien/h16/084.shtml?f=area
http://www.nakata-shoji.co.jp/kawara.html
Homeへ