ITCカンファレンス2004

2004年8月27日(金)〜28日(土)の 2日間、「経営とITの融合−全国5,000人のプロフェッショナルが経営の価値を高める!」をテーマとして開催されました。1日めは、基調講演、特別講演、レセプションで、2日めは事例発表と講演でした。
 今年は 2日間の延べ来場者数が1601人という大盛況でした。2日めにMAIDOフォーラムのメンバーである太田垣氏が500名を前に約1時間、事例発表と講演を行いました。テーマは「小規模事業者の特性に合わせたITコーディネート」です。。
 太田垣氏がITコーディネータとして発表した事例は、神戸商事株式会社の成功事例で、同社の飯田禎一氏(代表取締役副社長)が太田垣氏とともに登壇されました。

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昨年、ITCカンファレンス2003に出席したときに、太田垣氏はふと気づきました。カンファレンスは、大きく分けてITC協会が招聘した外部講師の方々による講演と、ITコーディネータによる成功事例等の発表があります。外部講師のみなさんの発表は非常にすばらしいのですが、こうした具体的で輝かしいお話の一方で、ITコーディネータの成功事例発表は、どうにも地味で、知見の薄さを感じるものもありました。新しい発見や「気付き」が少なかったのです。そのとき、これならば自分の経験談などでもきちんとまとめて発表すれば、もっと良いものになるのではないだろうか、とぼんやりと思ったのです。


発表には「ITコーディネータの成功事例」という縛りが必要なのですが、太田垣氏はサラリーマン。個人でコンサル業を営んでいるわけでも独立した公認会計士でもありません。
  当時、太田垣氏はITコーディネータプロセスを上流から下流にかけてやるような環境ではありませんでした。そこで、MAIDOフォーラムの前身であるITC研修の勉強会仲間の飲み会などで、仲間に「来年のカンファレンスで発表したい」という話をしていました。ちょうどそのころ、独立ソフト会社を経営しているMAIDOのメンバーからITCプロセスガイドラインどおりにやってもうまくいかないという不満を聞いたりしていました。この相談に何度か付き合ううちに、ITCプロセスガイドラインが示す方法論自体が、利用者にとって分かりにくく、ITコーディネータがITコーディネートで生計を立てて行きにくい問題をはらんでいるのではないか、という疑問につきあたったのです。


発表したいネタが決まり、アイデアを整理しているうちに、当初は実践や経験をベースにしたあいまいな考えでしたが、理論的に整理してゆくうちに、内容にもかなり自信が出てきました。そして2004年2月には、MAIDO-Forumの勉強会でこの内容について最初の発表を行いました。参加いただいたITC/ITC補の多くの共感をえられ、正直「これはイケる!」と思いました。ただ、この時点でもまだいくぶん不安はありました。今回発表したプロセスは、ITCAガイドラインを少し「崩す」ものだったからです。「ガイドラインありき」で考えるなら、採用されるとは思えないものなのです。しかし、事前にITCAに打診するわけにもいきませんから、この点は応募時にしっかりと説明しなければいけないと思いました。


当日の朝一番、8:30に会場に着くと、まずはチェックイン。入場証をもらい、準備中の会場に入り、プレゼンのチェックや、ハンドマイクかピンマイクかの確認、登壇の段取りなどを、現場のPAさんと打ち合わせました。500名が入る広い会場に、何百インチものプロジェクタ‥‥。壇上に上がってみてあらためて緊張したそうです。最前列に座ってスタンバっていると、気恥ずかしいBGMとプロのMCによる呼び出しを受けて太田垣氏の講演となりました。
  土曜日の朝だというのに会場はほぼ満員。そしてその多くがITコーディネータ。講演はトラブルもなく無事終了しました。再び控え室に戻り、結構重たい20センチ四方の箱に入った「お土産」を粗品としていただきました。お付き合いいただいた副社長さんは、役目終了として、すぐに帰路につかれました。ずっしりと重たい「お土産」は何かと後であけてみたら、ITCカンファレンスで発表したことを示す、クリスタルの置物でした‥‥。


カンファレンスに参加した他のMAIDOのメンバーの意見をまとめると、えこひいきなしに太田垣氏の発表はダントツにベスト・プレゼンテーションだったということになりました。聞いている人たちが随所でうなづいているのが印象的で、
   事例→気付き→アイディア→提言
という流れが実にスムーズだったと思います。スモールカンパニー向けの検証ユニットの話と地域コミュニティの話しのバランスもよかったです。
  メンバーのひとりから寄せられたメール(詳細は下欄参照)によると「神戸商事の副社長のコメントも的確で、ITCにプロセスの扱いを正面から論じた今年唯一のセッションでした。飯田副社長への太田垣氏からのインタビューでも、ITの世間相場や品質の良し悪しが率直に『わからない』と答えられるなど、ITCと小企業の現実認識をうまく浮き彫りにできていました」と絶賛です。



ITCカンファレンスを見てきた! 〜 出席者の声 〜

今年はなかなか勉強会に参加できなかったので、ITCカンファレンスに一度は出席してみようと決意しまして、先週末、東京国際フォーラムへ行って来ました。太田垣さんの発表もありましたし‥‥。

 全体として予想していたよりレベルの高い発表が多かったというのが率直なところです。その中でベンダー系の発表は啓発に欠ける傾向があります。製品紹介的でわざわざカンファレンスの中で聴く必要を感じない。どちらかと言うと、企業トップの方々の発表が参考になりました。

  また、われらがMAIDOフォーラム太田垣氏の発表内容は、出席していたITCの皆さんに実務について考えさせる要素を多く含んだ意義深いもので、他のプログラムと比べても価値が大きいものであったと思います。



◎会場と運営
850人分の長机と椅子が用意されている。スクリーンは前方に右寄り、左よりに一つずつ、スクリーンの大きさは十分。机は必要で、あって良かった。司会の女性もプロ風、講演者登壇時の音楽はスター登場風に派手(走って登壇したくなるような音楽!)、1時間おきの休憩時には無料のドリンク紙パックサービスがロビーで。想像していたよりもカンファレンスの運営は立派。それでも太田垣氏によると「去年はナップサックをもらえた。昼食弁当があった。去年よりは簡素」とのことでしたが。


◎1日め
ITC会長の話、来賓の経産省審議官らのあいさつのあと、カンファレンス実行委員会・高梨委員長が開会の話の中でレジメの文章をわざわざ読み上げて「ITCは‥‥コトの本質を見極め、固定観念にとらわれず‥‥」と強調していた。これは裏を返すと、例のITCプロセスの固定観念にとらわれ無理にそれを使おうとして失敗や苦情?が出ているのかと勘ぐらせるもの。(これに対する一つの回答が、まさに太田垣氏からの発表であった。)各発表に対して少しコメントすると──、

○建築家・堀池氏、国際未来科学研究所・浜田氏、内閣官房参事官・藤氏らの話
兵庫の片田舎に普段拘束されている人間にとっては全く聞く機会もないし、教養の講義として新鮮。講演者はみなさんプロでエンタテイナーですから、レベルはもちろん高かった。堀池氏は、建築とPCやソフトとの構造類似性話。ITCとの関係はこじつけみたいでイマイチ。浜田氏は、元米国大統領ブッシュを顧問に雇うような会社の話。こういう世界もあるのでしょうが、日常からは遠い世界の話。藤氏は、ゴルゴ13と関係のある内閣情報調査室の所属の方で、意外に面白かった。日本の製造業のアイデンティティ、中国との付き合い方、等々。

○千葉県ゴルフ場協会の加藤専務理事と東海バネ工業の渡辺社長の話
やはり経営改革的な経験談は興味深い。ゴルフ場の経営改革とバネ製造会社のIT化途上での悩み、成功事例の陰に数知れない失敗もあると思いますが、いわゆる経営品質の向上とプラスαの情報化へチャレンジを経営者に誘うような内容でした。講演者であった理事や社長の講演の質も高いと思います。実は我が社にも、今、コンサルが入って業務改革を試みていますが、活動内容的に共通するものが多く、参考になりました。



◎2日め
太田垣氏の発表は、ITCプロセスの扱いを正面から論じた今年唯一のセッション。質疑がなかったのが残念。神戸商事・飯田副社長への太田垣氏からのインタビューでも、ITの世間相場や品質の良し悪しが率直に「わからない」と答えられるなど、ITCと小企業の現実認識をうまく浮き彫りにしていた。

○大山氏(自転車屋さんのeビジネス)
これもなかなか面白い。継続的な気付きとeビジネス用ホームページの成長の話。自転車屋の売り上げ上昇。顧客との直接対話とも言えるやり取りとそこからヒントを得たホームページの改善、ノウハウを開示して信頼の醸成、等々、刺激的でした。

○本田氏(内閣府のITコーディネータ活動)
CIO補佐官殿の業務紹介は退屈。サイボウズの導入事例も製品紹介的で午睡モード。

○日立ソフトの坂下社長
熊本県下JA所属の生産者とスイカを買った顧客とを、スイカに張った二次元バーコードと携帯を使ってホームページにつなぎ、商品に対する反応を生産者にフィードバックする話。試みとして面白いが、ビジネスモデルとしてそれぞれが何を得てどう稼ぐのか消化不良の感があった。

○昭和電気の柏木社長
送風機屋さんのIT活用による業績向上の話。簡単なことから実行してまず成果を上げる、シンプルだが参考になる事例であった。

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